大井川の恩恵と日本の原風景
南アルプスからの贈り物、
大井川と牧之原台地の美しい茶畑
日本のほぼ中央に位置する島田市は、南アルプスの山々に源をもつ「大井川」の恵みによって長い年月をかけて育まれてきました。市内の南部に位置する牧之原台地は日本の原風景ともいえる美しい茶畑が広がり、市域を東西に分ける大井川の存在によって独自の伝統や文化が生まれてきました。さらに、大井川沿いを走る大井川鐵道のSLや世界一長い木造歩道橋の”蓬莱橋”がのどかな風景に彩りをそえています。
この大井川は、江戸時代、幕府が橋をかけることや渡船を禁じたため、当時「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と謡われるほど、“東海道最大の難所”とされてきました。そのため、大井川を渡るときには、川越人足に運んでもらうほかは方法がなく、大雨が続くと、増水によって川を渡ることができなくなり、何日も「川留め」が続くこともありました。
難所から茶産地への変遷
大井川を越える苦労と、
茶の開墾への転換
1週間や2週間程度の川留めが度々あったため、東海道を行き来する大名行列や旅人が長期間滞在し、繁栄したのが島田の宿場で、軒を並べる旅籠や茶屋は賑わいました。当時は大井川を無事に渡ることができたお祝いとして、川越し街道沿いではお酒がふるまわれることもあったそうです。
その後、時代の大きな転換を経て、大井川に「蓬莱橋」の架橋が許されるとともに、架橋によって職を失うこととなった川越人足らの働く場として、牧之原台地でのお茶の開墾が進められ、この地域は、日本を代表する茶産地へと発展をしていきました。
大井川の旅路
心躍る体験の数々
古き良き日本の伝統に触れ、豊かな自然の中で癒される。
着物で時を越える旅、茶畑の静けさに包まれる安らぎ、歴史の息吹を感じる冒険。
日常を忘れ、心満たされる旅の一幕をご紹介。